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XL883N-アイアン-放浪記

ドラッグスター放浪記改めロードスター放浪記改めエレクトラグライド放浪記改めXL883N-アイアン-放浪記になりました。うちの愛馬Harley-Davidson XL883Nのカスタムとか整備とかツーレポとかを徒然と

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2015.05.11/Mon  22:31:55

マップを入れる前にまだもう少しやる事があります。続いてはETCの初期設定です
ETCって聞くとまず最初に高速道路のあれを思い起こすと思いますが、ここで言うETCはElectronic Throttle Controlの略。つまり電子制御スロットルの事です

ついでなので、他にマニュアルとかで出てくる用語も交えつつ電子制御スロットルの簡単な構造を書いておきます
ETCはその名の通り、スロットルとそれに連動するスロットルバルブのプレートとが電気的に制御される仕組みです。従来のようにその両者を繋ぐための物理的なワイヤーは存在しません。TBW(Throttle By Wire)とかって風にも呼ばれますね。何でワイヤー無いのにWire?って感じですが、英語で「Wired」は「電子的に結び付けられた」って意味になるので、By Wireなんですね(ややこしいw)

スロットルをどれだけ開いたかは、スロットル部に内蔵されているTGS(Twist Grip Sensor)によって読み取られます。TGSはその開度によって0-5vのアナログ信号を出力し、ECMはそのアナログ信号を10bitのデジタル信号に変換し扱います。10bit、即ち2の10乗なので0-1027の1028通りです

TGSの信号はスロットルバルブ部にあるTCA(Throttle Control Actuator)に渡され、内蔵されているモーターによってストッロルバルブのプレートが開け閉めされます。実際にどの程度開いたかは、TCAに内蔵されているTPS(Throttle Position Sensor)によって計測されます。TPSもTGSと同じく0-5v、0-1027の信号を発生させECMに渡します

ですので、このTGS、TPSが正しく機能しているか、連動しているかのチェック及び設定が重要になってくるわけです。面倒に感じますが、従来のワイヤー式でもワイヤーの張り具合のチェックやTPSの取り付け位置(出力電圧)が正しいかをチェックしないといけないので同じと言えば同じですね。むしろきっちりとデジタルな数値で管理出来る分、電スロの方が楽かな

前置きが長くなりましたが、チェック及び設定を行なっていきます

TCFI_058.jpg  TCFI_059.jpg
バイクのRunスイッチをRunにしてイグニッションをON
Log Softwareを立ち上げて、「Communications」メニューから「ETC Manual Test」をクリック。「1」を入力しOKボタン
これでマニュアルテストモードに入ります。TCAからキュイイーーンと言う音が鳴り響きます(音はテストモードを抜けるまで鳴りっぱなし)
スロットルを捻ると、それに連動してスロットルバルブのプレートが開閉します。エアクリを外して見えるようにしておくと面白いです
一通り動かしたら再びETC Manual Testをクリックし「0」を入力。テストモードを抜けます。クイックスタートガイドの手順だとここではただ動作を確認するだけになっていますが、実際には写真の背景にあるようにReal Time Viewを表示させておいて、TGSとTPSの関連を確認します。具体的に言えば、TGSが0%の時にTPSが1%以下になっていなければならない(これはIACが機能しないマニュアルテストモード時にのみ確認が可能…ってそれはまた後の話なので今は読み飛ばしてもらっておいて結構です。。)
とりあえずそれは後でも出来るのでここではクイックスタートガイドの手順通り、動作を目で見て確認するだけにしておきます。それでOKです

続いてTGS、TPSの値を拾っていきます。拾うのは3種類の値です。この値はメモしておく必要があるので、紙とペンのご用意を
TCFI_060.jpg
①まずはスロットルを前向き(アクセルを吹かすのと逆方向、時計回り)にいっぱいまで捻り、その状態でCommunicationsメニューから「Read TGS/TPS」をクリック
※マニュアル記載の方法と少し違います。マニュアルでは、先にRead TGS/TPSをクリックしてからスロットルの操作を行いキーボードのEnterキーを押せばOKって書いてあるんですが、実際にやると「OK」ボタンにフォーカスが合ってしまっていて、エンターキーを押すとダイアログボックスが閉じてしまうので、先にスロットル操作をやっておいて、その状態のままRead TGS/TPSをクリックすると言う方法でやってます

TCFI_062.jpg
その時のTPS、TGSの値がそれぞれ表示されるので、マニュアルにメモっておきます
-forward-
TPS1:148 TGS1:49
ちなみにこのスロットルを前向きに捻る動作は何の意味があるの?って事なんだけど、電スロでは通常の反対向きにも大体30度くらい捻る事が出来て、その動作がクルーズコントロールの解除スイッチになっていたりします(ノーマルのECMでは他にもこの動作によってEITMSのON/OFFの切り替えが出来たりします)
ま、実際にはその方法でクルーズコントロールを解除する事なんてまず無いですが。ブレーキを踏めば解除されるのでw

TCFI_061.jpg
②次にスロットルから手を離した状態(アイドル状態)時の値を拾います
一旦スロットルを全開の所まで捻った後でゆっくりと戻し、手を離した状態でRead TGS/TPSをクリック
-idle-
TPS1:147 TGS1:223

③写真を撮り忘れてましたが、最後にスロットルを全開まで捻った状態の値を拾います
-wide open-
TPS1:147 TGS:939

値を見て分かる通り、実際にはここで拾うべき数値はTGSの方だけです。マニュアルテストモードになっているわけでは無いので、エンジンオフの状態でスロットルをいくら捻ろうがスロットルバルブのプレートは動かない(TPSの値に変化は無い)ので

TPSの方は次のテストで調べます
TCFI_063.jpg
Communicationsメニューから「ETC Characteristic Curve Test」をクリック
※この間は決してスロットルに手を触れない事!

TCFI_064.jpg
Start Testをクリック
キュイイーーンと例の駆動音が鳴ります。テストは開け閉めを自動的に5回繰り返すので、案外時間がかかります。音が鳴り止むまでのんびり待機
しかし、手も触れていないのにこうして勝手にスロットルブレードが動く様を見ると、つくづく今のハーレーはハイテクだなと実感しますね。個人的にはこういうメカメカした物大好きですw

TCFI_065.jpg
テスト結果が表示されます
TPS Zero:92 A/D steps
TPS Limp Back:147 A/D steps
TPS Wide Open:946 A/D steps

ZeroとWideは分かるとしてLimp Backは何じゃい?って事なんですが、これは万が一電スロ関連のパーツが故障した際の防護措置用の値です
ETCはイグニッションをONにするたんびに毎回自動校正(オートキャリブレーション)を行なっています。イグニッションON時、燃料ポンプの駆動音がした最後に小さく「カチャッ」て音がすると思いますが、それがスロットルブレードを閉じた音です(エアクリ外してやってみると目視で確認出来ます)
そのキャリブレーションで異常(TPSやTGSの値が規定値を逸脱してるとか)が見つかると、スロットルバルブのプレートはこのLimp Backの値の場所に開かれます。スロットル操作は効きませんが、回転数で言えば2000~3000回転くらいは出るので、出先でもノロノロ運転で何とか自宅or修理屋まで走らす事が可能です。また、それ以上の回転にはならないので意図せぬ暴走も食い止めてくれます(宣伝でもLimp Backモードの事が書かれてますね)
実はこれThunderMaxで一回なった事があります。正直上り坂は無理ゲーでした(ThunderMaxのリンプバックモードがどういう仕様なのかは不明なので同じでは無いでしょうが)

これにて値の採取は完了。これを基にして実際にTCFIに設定する値を割り出しますので、付属のInstallation & Tunigマニュアルの48ページを開きます(マニュアル無いよーって人はDaytonaのHPから落とせます)
TCFI_066.jpg
採取した値を記入して必要数値を算出します
TPSの方はETC Characteristic Curve Testの所で拾った値をそれぞれ記入
TPS ZERO、TPS LIMP BACKの所の数値が灰色のFIXEDの範囲内に入っていなかったら異常なので、その場合は…ディーラーに相談ですねw
必要になるのはFULL SCALEの値で、これはWIDE-OPENの値から15-20を引いた数値になります。自分の場合はTPS WIDE-OPENの値が946だったので16を引いて930

TGSの方は最初のテストで拾った値をそれぞれ記入
必要になるのはOFFSETとFULL SCALEの値です。OFFSETの方はTGS RELEASEDの値に5-10を足した物、FULL SCALEの方はWIDE-OPENから10-15を引いた物
自分の場合はそれぞれ216→223、936→925としました

値の割り出しが終わったらTCFIにそのデータをアップロードします
RunスイッチRun、イグニッションONにしてPC Link TCFI Softwareを立ち上げます
TCFI_067.jpg
Editメニューから「Edit ETC Parameters」をクリック

TCFI_068.jpg  
TPS/TGS Scale Factorsの所にそれぞれの値を設定します
他の部分はいじる必要無し、と言うかいじっちゃ駄目だとマニュアルに書かれてます

TCFI_069.jpg
UploadをクリックしてTCFIに転送します。転送が終わると確認ダイアログが出るのでOKをクリックして完了

マニュアルによるとこのETCの設定はマップと紐付けされておらず、TCFI内の独立した部分に書き込み保存されます
なので、新規マップを読み込んだ時やマップに変更を加えた時にも再アップロードは不要です。ファームウェアを更新した時、またはスロットルボディやTGS等が故障して交換した際にのみ、再アップロードが必要との事です

これにてETC関連の設定は完了です。面倒に感じる方もいると思いますが、O2センサーにしろETCにしろセンサー類には必ず誤差があるので、自分のバイクに合わせた設定をちゃんと適用させる事が出来るって言うのは逆に素晴らしい事ですよね

ここまでは下準備。次はいよいよマップの設定&初火入れです!
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